概要
In-Sight® 2800シリーズのビジョンシステムは、人工知能(AI)技術と従来のルールベースのビジョンツールを組み合わせて、幅広い検査アプリケーションにソリューションを提供します。シンプルな有無検査から複雑な分類や仕分けのアプリケーションまで、In-Sight 2800 はエラーを防ぐソリューションを簡単に展開できます。ファクトリオートメーション向けに設計されたIn-Sight 2800は、あらゆる規模のメーカーにおいて以下を可能にします。
製品品質の向上
非常に正確なAIベースのエラー検出および文字読み取り機能により、細微な欠陥の検出、ばらつきのある部品の分類、複雑な文字の読み取りなどが可能となります。
運用効率の最大化
迅速かつ直感的なジョブ設定により、画像センサのライン稼働を省力化できます。—ビジョンやAIの専門知識は必要ありません。
システム構成の簡素化
一体型照明とレンズのモジュール式ソリューションは、光学オプションの選定における試行錯誤を不要にします。ボタンを数回クリックするだけで、アプリケーションに最適な構成を決定できます。
特長
■数枚の画像の学習でも高い能力を示すディープラーニングツール搭載
■計測結果を出力し数値による品質管理も可能
■現場での設定も容易なシンプルアプリケーション設定
幅広い課題解決を可能にする豊富なツール群
In-Sight 2800シリーズは、AIベースとルールベースのツールを1つのビジョンシステムに統合し、さまざまな用途でのエラー防止に貢献します。ツール単体での使用はもちろん、複数のツールを組み合わせ、より高度な判定ロジックを構築可能です。
ViDi EL Classify
ViDi™ EL Classifyツールは、単純なOK/NGのいずれかを出力するだけではありません。個体ばらつきを考慮しながらカテゴリごとの部品の特徴を認識することで、品種の分類や仕分け、欠陥分類などの分類検査が実行可能です。より高度な自動化を可能にします。
ViDi EL Classifyは、1クラスあたりわずか5~10枚の画像を使用するだけで、たった数分で学習が完了します。
正確な結果を視覚的なフィードバックとしてリアルタイムに得ることができ、信頼性得点によりAIがアプリケーションの出力を正しく予測したかどうかを確認します。手動の操作が減り、検査の信頼性が高まります。
ViDi EL Read
反射面や低コントラスト面、凹凸のある面でも、容易に文字を読み取ります。ViDi ELReadツールは、高度な光学式文字認識機能(OCR)により、複数行にまたがるテキスト等、さまざまなテキストを読み取ります。最小限の学習で運用開始できるため、簡単にジョブを設定し、高速かつ正確な文字読み取り機能を活用可能です。
ViDi EL Readは、関連する文字が含まれた画像サンプルをいくつか使用するだけで、わずか数分で設定が完了します。
学習済みの文字の下には信頼性得点が表示され、結果の正確性を評価できます。
ルールベースのビジョンツール
In-Sight 2800 には、業界で実証されている従来のビジョンツールとアルゴリズムの豊富なライブラリも搭載されています。距離計測、面積計測、計数、論理演算ツールなど、たくさんの機能が利用できます。
複数箇所検査に対応
検査領域は視野内に複数展開でき、領域ごとに任意の検査ツールが実行可能です。
分類用途の例
■ボトルシーリングチェック
■計量スプーンの有無の検出
■梱包された製品の成型のチェック
■PCB実装部品の検査
■コネクタ嵌合検査
■ラベル貼り付け不良チェック
■芳香剤キャップチェック
■ガスケット品質チェック
■石けんの品種分類
■ベアリング裏表チェック
OCRの使用例
■曲面上のテキストの読み取り
■印字ラベルの文字読み取り
■反射面上の日付とロットコードの読み取り
■背景との低コントラストの文字読み取り
■複数行テキストの一括読み取り
文字読み取り
共通のソフトウェアプラットフォームで提供される柔軟な開発オプション
In-Sight Vision Suiteソフトウェアは、すべてのIn-Sight製品で共通であり、2つのプログラミング環境 — EasyBuilder®とスプレッドシート — を備えています。これにより、ニーズの変化に応じてソリューションをシームレスに拡張できます。
セットアップを簡素化し、即時稼働を実現する EasyBuilder 開発環境
ポイント・アンド・クリック設定が特徴の In-Sight Vision Suite の EasyBuilder 開発環境は、ポカヨケから検査まであらゆるアプリケーションにおいて効率的です。画像取り込みから結果表示まで、ステップバイステップの直感的な操作で設定を進めることができ、初心者から経験豊富なユーザまで、誰でも効率よくビジョンアプリケーションを構成できます。
スプレッドシートのガイダンスに従って高度なアプリケーションを構築*
In-Sightのスプレッドシートインタフェースを使用すると、素早くジョブの設定・実行ができ、プログラミングは不要です。この開発環境は、ジョブパラメータに重要な調整を柔軟に実行することができ、要件に変更点が発生した場合はすぐにアプリケーションを適応させることができます。
*スプレッドシートを利用できるのはIn-Sight 2802モデルのみです。
WebベースのHMIで、リアルタイムにアプリケーションをテストして最適化
In-Sight 2800シリーズでは、ランタイム可視化が可能なWebベースのヒューマンマシンインタフェース(HMI)へのアクセスが提供されます。ユーザはこのHMIを通じて、検査結果を確認し、設定パラメータを修正して、アプリケーションを最適化することができます。
*CustomViewはIn-Sight 2802モデルのみでスプレッドシートインタフェースを使用しながら利用できます。
幅広いアプリケーションに適用可能な完成した画像センサ
In-Sight 2800 は、アプリケーションを簡単かつ確実に自動化することを目指し、強力なコグネックスのビジョンツール、便利で使いやすい機能を満載しています。
強力で柔軟な一体型照明
マルチカラー (RGBW) 照明オプションを使用すると、対象ワーク色に関係なく、最良のコントラストの画像を得ることができます。In-Sight Vision Suite のボタンをクリックするだけで、発光色を変更できます。
強力な画像処理テクノロジで検査精度を向上
HDR(ハイダイナミックレンジ)テクノロジでは、従来のセンサより16倍以上も詳細な最先端の画像センサ技術を使用します。その結果、画像品質とコントラストが著しく向上し、精度の高い検査が可能になり、微細な欠陥でも検出できます。