概要
環境、水質、農薬分析といった定量分析から、材料、におい分析といった定性分析まで幅広い測定・分析ニーズに対応した究極の高性能・汎用型GC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)です。
・メンテナンス容易な、汚れに強く長期安定の優れた大型双曲形四重極質量分析計を採用
・自動多成分定量解析および統合定性解析ソフトウェアによる簡便かつ短時間解析が可能
・多彩なイオン化法(EI/CI/PI)とダイレクト導入可能、クラス最高レベルの高感度微量分析<5fg
特長
工具不要なイージーメンテナンス
イオン源取り外しに工具は一切必要ありません。
従来機種同様、大きなイオン源フランジを採用しており、高いメンテナンス作業性を確保しています。
高性能を約束する匠の質量分析技術が結集
クラス最大の大型双曲形四重極を搭載しています。
双曲形四重極はイオン許容量が大きいため、広いダイナミックレンジと優れたイオン透過性による高感度という2つの特長を両立させます。
GC-MSに求められる基本性能を高い水準で達成!
装置検出限界:IDL<5fg
OFN20fgをSIMモードで連続8回測定し、得られた抽出イオンクロマトグラムの面積値とその再現性より装置検出下限を算出したところ、2.6fgを達成しました。
広いクロマトグラムダイナミックレンジ
OFN0.005~1,000pgを標準EIイオン源のSIMモードで測定したところ、検量線の決定係数は0.999以上を示す良好な直線性が得られました。
5桁以上を有する広いダイナミックレンジは定量分析のみならず、濃度差のある混合試料の定性分析においても有効です。
自動SIM条件作成機能
Peak Dependent SIMで簡単・高感度な定量分析
今まで煩わしかったSIMグルーピング作業を行う必要はありません。
自動SIM条件作成機能Peak Dependent SIMは最適なSIMグルーピングを自動で設定します。誰でも簡単に最適化したSIM条件で測定を行うことができます。
SIM測定における1グループあたりのチャンネル数は100、グループ数500まで設定可能です。
ユニークなオプションEIイオン源で拡がる分析ソリューション!
高性能EIイオン源:Enhanced Performance Ion Source(EPIS)(オプション)、装置検出限界:IDL<1 fg
EPISではイオン源チャンバーを改良することで高感度化を達成しました。
EPISにおける装置検出限界はIDL<1fg(OFN5fg 注入、8回測定)です。業界最高レベルの感度は、
・微量成分分析
・濃縮作業の簡略化、試料導入量の低減(汚染低減)
・SIM定量からSCAN定量への置き換え(測定条件簡便化、ノンターゲット分析可能)
といった様々なメリットを生み出します。
定量分析のみならず定性分析にも活用いただけるオプションEIイオン源です。
OFN5fgをSIMモードで連続8回測定し、得られた抽出イオンクロマトグラムの面積値とその再現性より装置検出下限を算出したところ、IDL0.6fgを達成しました。
特長あるソフトイオン化法をアプリケーションに応じて使い分け!
光イオン化法 EI/PI共用イオン源(オプション)
光イオン化(PI)法は、真空紫外線(VUV)ランプを用いたイオン化法であり、EI法(ハードイオン化法)とPI法(ソフトイオン化法)を組み合わせた共用イオン源として使用できます。
EIフィラメントのON/OFF、PIランプのON/OFFを行うだけで、EI法とPI法の切り替えが可能です。
特長
・イオン源交換不要
・真空解除不要
・試薬ガス不要
・主に定性分析向け
化学イオン化法 CIイオン源 (オプション)
化学イオン化(CI)法では、試薬ガスと試料分子とのイオン分子反応によりプロトン付加分子を生成するイオン化法です。
試薬ガスにはメタン、イソブタン、アンモニアなどが使用されます。
CI法では、ポジティブモードとネガティブモードでの測定が可能です。一般には、ポジティブモードは分子量確認などの定性分析に使用されます。ネガティブモードは、PCBなどの含ハロゲン化合物の定量分析に使用されます。
特長
・試薬ガス必要
・ポジティブモード/ネガティブモードが可能
ダイレクトMSプローブ(オプション)
GCでは難しい高沸点成分の測定はダイレクトMSプローブを用いた測定が有効です。
UltraQuad™SQ-Zetaでは2種類のダイレクトMSプローブを選択できます。試料の形態や物性、目的に応じてプローブを選択します。
直接導入プローブ/C (Direct Insertion Probe:DIP)
・固体試料をそのままガラス試料管に導入して測定可能です。
・高沸点化合物/溶媒に溶けにくい試料に最適です。
直接導入プローブ/F (Direct Exposure Probe:DEP)
・溶媒に溶かすか分散させた試料を先端のフィラメントに塗布します。
・高沸点化合物 / 熱不安定化合物に最適です。