概要
WinROOFシリーズは、四半世紀を超えるロングセラー画像解析計測ソフトウェアです。
特長
ソフトウェア モデル構成
WinROOF2023のラインナップは、2値化をはじめ画像解析に幅広く応用でき、マクロによる自動処理が特徴的な「WinROOF2023 Standard」と手動の画像計測やフォーカス合成(焦点合成)・画像連結(画像結合)などのカメラ連携機能に特化した「WinROOF2023 Lite」2つに大別されます。
WinROOF2023 Standard
■針状粒子分離計測オプション
■リング厚み計測オプション
■画質改善オプション
■Materialオプション
■アライメント補正オプション
■自動撮影・自動解析システム構築オプション
■AI検出オプション
■AI特徴値分類オプション
WinROOF2023 Lite
■画像改善オプション
■Materialオプション
■自動撮影・自動連結システム構築オプション
WinROOF2023 Standard搭載
粒子計測・統計データ出力
粒子の抽出および特徴値の計測、条件分け等の解析
金属粒子から動物細胞まであらゆる粒子・細胞を自動抽出して、個々の面積、円相当径(直径)、絶対最大長、円形度、針状比(アスペクト比)、方向、面積率などの形状計測を行うことが可能です。
計測値の一覧データから統計データ(平均、最大、最小、標準偏差など)が同時に算出されます。
粒子の条件設定による自動のふるい分けからOK/NG判判定まで、高度な処理による解析が可能です。
また、粒子の抽出領域を手動で編集するツールも備わっています。
処理範囲を設定するROI機能によって、指定した範囲内の形状計測も可能です。
カラーマップ・ヒストグラム(度数分布)の自動作成
計測データから自動で度数分布のグラフ作成が可能です。(軸の設定は任意変更できます)
同時に数値のクラス分類を色分けして、画像上にカラー表示させ、ビジュアル的に表現できます。
円形度による形状の分布、方向の分布によって配向性の評価にも利用することが可能です。
また、グラフだけではなく、度数分布表の表示も可能です。
解析例(2値化/色抽出)
自動処理マクロツール
決められた手順で画像解析・計測を行う場合に、どの手順を1つコマンドとして登場することが可能で、作業効率を大幅に改善できます。
■自動処理マクロの作成
■アイコン/ファンクションキーへの登録
■フォルダー監視機能
自動処理マクロツール
①フォルダー監視機能を利用することで、撮影装置と連携した画像解析を行うことができます。
②同じ測定環境(画像サイズ、撮影倍率など)で取得した大量の画像に対して、一括の処理も可能です。作業時間の大幅な効率化を行うことができます。
③ファンクションキーの登録の活用で、ボタン一つで誰でも同じ画像解析設定でデータ測定が可能です。
ウォーターシェッド(粒子分離機能)
粒子同士が密集していて、2値化した際に繋がってしまう場合、自動で個々に分離することが可能です。本機能を活用することで、より理想に近い結果を得ることができます。
手動編集(ペン/消しゴムツール)
2値化等で抽出した領域は、手動編集ツールで修正することもできます。
自動処理内で一旦停止して編集するステップを加えることが可能で、半自動化のマクロが作れます。
粒子間距離計測
粒子間それぞれの距離を自動計測することが可能です。各粒子の重心間計測もしくはエッジ間計測の2種類から選択できます。
各々の距離データを一覧表示し、その分布や統計データを出力することで、粒子間のばらつき具合を評価することができます。計測作業がさらに効率良く正確に行えるようになります。
ボロノイ分割計測
画像内の粒子の分散度を評価するために一般的な手法として使われる「ボロノイ領域」に分割して領域計測を行える機能です。
粒子径による領域の重み付けが可能になります。
粒子画像出力
粒子画像出力機能では、検出した各粒子の画像をそれぞれの画像ファイルとして保存することができます。2値化やウォータージェットなどで検出した粒子の画像をレポート制作やレビューに利用することやAIの学習モデルを作成するための教師データとして活用することが可能です。
円形図形分離計測
粒子同士が重なっている場合、通常の粒子解析では正確な計測が困難です。本機能では独自の円形パターンマッチング技術に基づき、この重なりを分離して、個数カウント・粒子径・面積などの計測を行うことが可能です。
線幅計測
複数のラインに対して幅線を自動計測します。一転範囲における幅の平均値が取れるため、1ヶ所で測るのに比べて凹凸の影響を抑えることが可能です。
グリッド解析(グリッドROI)
格子状のマス目に分割した範囲(グリッドROI)ごとに、計測値を分けて出力することが可能です。グリッドの間隔、分割数などを任意に設定することができます。
複数エリア解析(マスクROI)
計測範囲設定(ROI)において、自動で複数エリアを同時に囲って計測が可能です。
2値化等で自動抽出したエリアをROIで囲う(マスクする)ことで計測時に各エリアがナンバリングされます。
総面積・個数
抽出領域の合計の面積・個数・面積率などを求めることができます。
プロファイル計測
ライン上における濃度(明るさや高さ)データのプロファイル計測が可能です。
WinROOF2023 Standard/Lite搭載
濃度特徴計測(明るさ計測)
指定した領域ごとの濃度を計測できます。濃度値として赤、青、緑、色度、明度、彩度を算出可能です。
アファン変換(拡縮・回転)
画像の拡大・縮小、角度の調整や縦横方向へのオフセット移動が可能です。画像の容量の圧縮、水平・垂直に計測したい際の前処理として利用できます。
各種フィルタ処理
画像ノイズの除去(平滑化処理)、画像エッジの強調など、さまざまなフィルタを駆使し、解析に効果的な画像を作成できます。
バックグラウンド除去(照明ムラ補正)
撮影倍率や照明の当たり具合により部分的な明暗差が生じることがありますが、本機能を用いることで照明ムラの除去できます。
画面全体から一様に2値化したい場合に非常に有効な前処理です。
WinROOF2023 Lite
手動の画像計測やフォーカス合成(焦点合成)などのカメラ連携機能をリーズナブルにお使いいただけます。
2点間距離をはじめとする各種距離計測、各種ライン計測、円計測、ポリゴン計測(自由曲線計測)、ワンクリック自動抽出計測ツール等、様々なシーンでの寸法計測に対応しています。さらに、曖昧な円・線などに対応すべく、近似直線・近似曲線・近似円の描画ツールも実装されています。
また、角度の計測や個数のカウント、注釈(コメント)や→の挿入も可能です。
計測アシスト機能
マウスカーソルの位置を拡大したズーム画面が出せます。またマウスホイールを回すと、その位置を中心にデジタルズームで任意に拡大できます。
手動計測する際に、マウスカーソルをエッジに近づけると、計測ポイントが自動でフィットする機能も搭載されています。
Excel転送
処理後の画像、計測結果をワンクリックでExcelに転送可能です。
新しいExcelブックを開いて転送/自動保存、新規シートを作成して転送、アクティブシートへの連続転送、指定Excelファイルへの転送、転送先のシートやセルの指定が可能です。
また画像だけではなく、計測データと統計データの有無など細やかな設定が可能です。
カメラ制御・スケール設定
カメラ制御によりソフト上のライブ表示、自動画像保存(連番でファイル名付け)、取得画像サムネイル一覧表示ができ、便利な画像取得用のシステム化が可能です。
キャリブレーション登録スケール表示
倍率ごとのキャリブレーションにコメント入力して登録ができるため、撮影機器が複数ある場合にも間違えずに選択することが可能です。
ハレーション除去・HDR合成
光沢のあるサンプルの撮影画像を合成する際、独自の画像処理を用いて、画像内に存在するギラつきを抑え、かつ、周辺の画質を高品質に保ちつつ最適な画像を生成することが可能です。
照明やカメラの露光時間を変更しながら撮影した画像を読み込むだけの簡単な操作でハレーション除去・HDR合成が可能で、サンプルに合わせて即座に調整可能です。
カメラの機種によっては、露光時間をリアルタイムに変更し、自動撮影および自動処理が可能なモードも搭載されています。
フォーカス合成(焦点合成)
高さがあり、画像内でピントがボケてしまうようなサンプルでも、顕微鏡やマイクロスコープなどのフォーカス調整ダイヤルを回しながら撮影した画像を読み込むだけで自動的に全焦点合成画像を生成することが可能です。
また、対応しているカメラであれば、フォーカス調整ダイヤルをくるっと回すだけで手軽に全焦点合成画像が生成されます。
画像連結(画像連合)
自動的にのりしろ(重なり)部分をパターンマッチング処理で認識し、誰でも簡単に連結画像の生成可能です。画像と画像の継ぎ目を目立たなくさせる境界処理機能や照明ムラを取り除くシェーディング補正機能などにより、貼り合わせた画像のクオリティを向上させます。
また、対応しているカメラであれば、ステージを動かして撮影する動作を繰り返すことで、ライブ映像を見ながら撮影・連結をリアルタイムに行うことも可能です。